札幌市の公園整備における民間活力導入とパークPFI制度を調査:視察報告

2026.07.16

視察3日目は、札幌市を訪問。札幌市は政令指定都市として、急増した公園の老朽化や財源不足という大きな課題に対し、民間活力を最大限に活かす「パークPFI制度」の先進的な活用に挑んでいます。 この視察では、本市のこれからの公園整備と持続可能な地域共創のヒントとなる非常に有意義な知見を得ることができました。

■視察の主なポイント

• 徹底した「対話」による再公募の成功

当初は事業者の負担が大きく応募ゼロという厳しい結果に。しかし行政が即座に民間へヒアリングを行い、エリア追加やインフラ整備要件の緩和など柔軟に条件を再設計し、地元企業6社による共同事業体(SPC)の参入へと繋げました。

• 学校・教育行政との包括連携協定

札幌市教育委員会や地元の高等支援学校と20年間の協定を締結。生徒たちが作った器を園内の飲食施設「リビディ」で使用し、メニューも共同開発。さらに不登校の子どもたちの居場所(サードプレイス)としても機能させ、ここへの通所が学校の登校日数にカウントされる驚きの仕組みも構築されています。

• 住民を「当事者」にするプレイスメイキング

設計段階から徹底して地域住民とワークショップを重ね、店内の芝生敷きや壁画のペイントを住民共同で実施。「俺たちが作った場所」という強い愛着とファンをオープン前から醸成しています。

• 雪国ならではの冬期対策と工夫

金沢と同様に冬期の集客が最大の課題。施設は「かまくら」をイメージした円形デザインを採用し、冬は住民が作る雪像がSNSでバズるなど、地域を巻き込んだリアルな工夫と試行錯誤が続けられています。

■所感

民間事業者から伺った「地方のパークPFIは、単体のビジネス(PL)として捉えると採算が合わず失敗する。企業の採用やブランド向上といった『見えない資産(BS)』として価値を見出せる地元の仲間をいかに集めるかが本質である」という言葉には、深い説得力がありました。 また、行政側も現状維持の「守り」だけでなく、柔軟にルールを緩和できる「攻め」の企画部署と組織を分ける重要性を学びました。

公園の活性化は、単なる「行政のコスト削減」が目的ではありません。そこに関わる民間企業、学校、そして地域住民が手を取り合い、温かみのあるコミュニティを共に育てる場所にしていくことこそが本質です。 今回の学びを活かし、金沢市でも「形だけの民間委託」ではなく、地域の福祉や教育とも深く繋がり、市民の皆様の愛着と賑わいを最大化できる地に足の着いたパークPFI・官民連携を提案・追求してまいります!

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