金沢の未来へ~長崎市から学ぶ「市民と築く」大規模開発のポイント

2025.11.07

最終日、長崎市にて「長崎駅周辺再整備事業」に関する行政視察を行いました。新幹線開業を最大の契機とし、国・県・市が一体となって推進したこの大規模プロジェクトから、本市の駅前や都心軸再整備に繋がる重要な知見を得ました。

注目したポイント

1. 事業推進の「調整力」と「最優先課題」

長崎では、「土地区画整理」「JR在来線の連続立体交差(高架化)」「新幹線建設」という3つの巨大事業を同時並行で推進されました。

• 最優先の目標:多岐にわたる事業の中で、「交通結節機能の強化」を最重要課題と位置づけ、駅と周辺交通機関(路面電車、バス、タクシー等)との乗り換え効率を高める工夫が徹底されていました。

• 苦労点:工程調整や作業用地の確保、駅利用者動線の確保に大変苦労されたとのことですが、公共事業間の連携と工程調整を徹底することで乗り越えられました。

2. 市民意見を反映した計画の「柔軟な運用」

事業への理解と信頼を得る上で、市民意見の反映が積極的に行われていました。

• 具体的な計画見直し事例:

○ 国道のアンダーパスを平面化する計画でしたが、交通影響を考慮し、アンダーパスのまま存置する形に見直されました。

○ 一方通行道路を双方向にする計画も、市民の意見を受け一方通行のまま存置することになりました。

○ 市民の意見を真摯に受け止め、都市計画を柔軟に修正する姿勢は、今後の本市における大規模事業推進において、大いに参考とすべき点だと感じました。

3. 「長崎らしさ」を体現した新駅舎のデザイン

新長崎駅舎は「長崎の新たな玄関口 ~長崎らしさを体現する駅舎~」をコンセプトに、細部までこだわりが光ります。

• シンボリックな膜屋根:整備新幹線で初めて採用された膜素材の大屋根がホーム全体を覆い、日中は開放的な空間を、夜間は「光の繭」として長崎の夜景を彩ります。

• 市民参加のデザイン:トイレエントランスには、長崎市の花アジサイをモチーフにしたステンドグラスが設置され、市内の子どもたちも製作に参加。駅が「市民とともに築く*シンボルとなっています。

4. 経済波及効果

この大規模プロジェクトによる公共投資・民間設備投資の経済波及効果は1,737億円と試算されており、地域経済の活性化に大きく貢献しています。

感じたこと

今回の視察で得た「官民の強力な連携」「計画の柔軟な運用」「市民との共創」という知見を、本市の未来の玄関口づくりや、住みやすいまちづくりの実現に向けて活かしてまいります!

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長崎原爆資料館、平和記念公園

2025.11.07

長崎原爆資料館および平和記念公園も訪れました。

長崎原爆資料館での展示は、私たちが教科書や映像で知る抽象的な「戦争の悲劇」を、具体的で痛切な現実として突きつけてきました。

• リアルな惨状: 熱線で溶け歪んだガラス、爆発した瞬間の午前11時2分で針が止まった柱時計、そして変わり果てた街の様子を写した写真。何よりも胸を打たれたのは、熱線と放射線に焼かれた人々の衣服や遺品など、被爆者の筆舌に尽くしがたい苦しみを物語る数々の資料です。これらは、原子爆弾が単なる兵器ではなく、非人道的な破壊兵器であり、人々の生活、文化、そして未来そのものを一瞬で奪い去った「人類共通の悲劇」であったことを雄弁に示していました。

• 爆心地の重圧: 爆心地公園に立つ黒御影石の碑や、平和祈念像を前にした時、私は深い静寂の中で、一瞬にして数万の尊い命が失われた事実の重さに、ただただ言葉を失いました。平和祈念像が天を指す手と、平和を示す水平の手、そして閉じた目で犠牲者の冥福を祈る姿には、過去の悲劇を決して繰り返さないという人類の強い決意が凝縮されていると感じました。

私たちが「平和」を語る上で、この長崎の「負の遺産」から目をそらさず、その教訓を次世代へ正確に伝え、活かし続けることが、日本人の最も重い使命であると強く確信し、本市においても、この長崎の教訓を活かした平和教育や、核兵器廃絶に向けた国際的な発信を強化する必要性を感じました。

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現地路面電車(LRT)の調査ー熊本市編

2025.11.06

今回の視察報告の最後。ライフワーク(?)となりつつある、現地路面電車(LRT)の調査、熊本市編となります。二日目の朝、少々早起きして、乗車し、新しくなった熊本駅電停も含めて見学しました。

熊本市電が地方都市の公共交通として高い評価を得ている要因を、機能性、情緒性、そして環境面から4つの注目点として抽出します。

1. 最先端の技術とバリアフリーへの先行投資

熊本市電は、1997年に日本初の超低床車両(LRV)を導入したパイオニアです。この先行投資により、高齢者や障がい者、子育て世代など誰もが使いやすい環境が整備され、公共交通としての信頼性と利用層の拡大を実現しました。

2. ストレスフリーな決済・運賃システム

利用者の手間を徹底的に削減し、利便性を高めています。

• 均一運賃: 市内どこまで乗っても一律料金という「わかりやすさ」が、特に観光客や不慣れな利用者にとって大きなメリットとなっています。

• 多様な決済: ICカードはもちろん、クレジットカードのタッチ決済など最新の決済手段に迅速に対応し(これは均一料金がなせる業!)、乗降時間の短縮と利便性を両立させています。

3. 新旧車両が共存する「情緒的な魅力」

最新の低床車両に加え、レトロ調車両や板張り風の床を持つ古い車両が大切に活用されています。 「どれが来るかわからない」というワクワク感や、車両ごとの個性が、移動自体を楽しい体験に変え、市民や観光客に愛される大きな理由となっています。

4. 都市景観に貢献する「軌道緑化」の推進

一部区間において、線路間に芝生などが植えられる軌道緑化を積極的に行っています。 都市の景観を向上させるとともに、ヒートアイランド現象の緩和や騒音・振動の低減に寄与しており、環境に配慮した交通機関としてのイメージを高めています。

💡 熊本の成功事例に基づいた提言

本市が新しい交通システム(LRT/BRT)を導入を検討するにあたり、熊本市電の「機能性」と「情緒」の両立を参考に、以下の提言を行います。

金沢市は、単なる機能的な交通システムを導入するのではなく、歴史都市の個性を高める公共交通のあり方を目指すべきです。

1. 【車両・インフラ戦略】「緑と伝統」の融合:

○ 軌道緑化を積極的に計画に組み込み、都市のヒートアイランド対策と景観向上を図る。

○ 新車両・停留所には、金沢らしい意匠(例:伝統工芸の活用、落ち着いた色彩)を施し、「まちのシンボル」としての価値を持たせる。

2. 【利便性戦略】機能性と結節点の徹底強化:

○ 熊本市電のように、わかりやすい運賃体系と多様なキャッシュレス決済を基盤とする。(まずは金沢Maas3.0の実現を!)

○ JR金沢駅など主要な場所での乗り継ぎ抵抗をゼロにするインフラ整備(例:乗り継ぎ割引の徹底、駅と直結した停留所)を最優先課題とする。

この「機能性(緑化・利便性)」と「情緒(伝統・個性)」の両輪で進めることで、市民が誇りを持ち、観光客にも魅力的な持続可能な公共交通システムを確立できると考えます!

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金沢の伝統工芸の未来を考える!有田ポーセリンパーク視察

2025.11.06

視察二日目は、佐賀県有田町の「有田ポーセリンパーク」へ行政視察に伺いました。

ドイツ・バロック建築の壮麗な宮殿を再現し、有田焼と地酒(宗政酒造)を融合させた、ユニークな観光拠点です。金沢市の伝統工芸・観光戦略への応用可能性を探るべく、深く調査してまいりました。

視察で分かった成功と課題の両面

【 成功要因】

1. 「異文化融合」による集客力:洋風建築をシンボルとすることで、有田焼の従来のイメージを刷新し、若年層やインバウンドなど幅広い観光客を広域から呼び込むことに成功。

2. 「工芸×食」の複合展開:地元の酒造会社が運営主体となり、有田焼(文化)と酒類(食)という二大コンテンツを融合させ、客単価と滞在時間の向上を実現。

3. 体験型プログラムの強化: 団体客や教育旅行にも対応できる陶芸工房は、文化の継承と地域活性化に貢献していました。

【経営的課題とその取り組み】 しかし、その一方で、大規模施設ゆえの維持管理コストの高さや、広域観光客の取り込みの難しさなど、経営面では継続的な努力と改善が必要な状況にあることが分かりました。

施設運営会社は、これらの課題に対し、陶芸体験のさらなる拡充、季節ごとのイベント企画、企業との連携強化など、多角的な収益改善策を積極的に検討・実行されていました。

感じたこと

この視察から、単に「施設を作れば良い」のではなく、「施設維持のコストシミュレーション」と「時代に合わせた事業内容の不断の見直し」が、持続可能な観光戦略には不可欠であると強く感じました。

本市が誇る伝統工芸を生かしたしたまちづくりにおいても、有田町の挑戦から学び、「攻めの姿勢」と「継続的な改善努力」を両立し、市民の皆様の財産となる持続可能な地域活性化策を考えていきます。

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