【オーストリア報告 ⑧(最終)】最終地ザルツブルク:モーツァルト生家と富山に似た街並み

2025.10.25

最終日には、モーツァルトの生誕地として名高いザルツブルクを訪れ、ウィーンやリンツとはまた異なる都市の魅力と交通インフラを視察することができました。

芸術家の息づかいと都市の景観

山が近くに迫るザルツブルクの街並みは、ウィーンやリンツの平坦で広大な景色とは異なり、非常に独特な雰囲気を醸し出していました。個人的には、コンパクトな中心市街地の背後に雄大な山々が広がる景観から、富山市に近いイメージを持ちました。

名作映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台となったミラベル宮殿のほか、モーツァルト広場、個性的な看板が並ぶゲトライデ通り、そして荘厳なザルツブルク大聖堂を巡り、この街の芸術的な深さを肌で感じました。

モーツァルトの生家で感じた重み

特に、モーツァルトが生まれた部屋を訪れた際には、大きな感動に包まれました。

世界史上最も偉大な音楽家の一人が、まさにこの場所で、どのような光を受け、どのような音を聞いて育ったのか。その創作の源泉が生まれた空間の静謐な雰囲気に触れ、計り知れない歴史と文化の重みを感じました。また、カラヤンやドップラーといった偉大な音楽家・科学者の家も巡り、この街が持つ文化的厚みを再認識しました。

コンパクトな都市の交通事情

短時間でしたが、ザルツブルクの交通も確認しました。市街地はコンパクトにまとまっており、公共交通機関が中心部の移動をしっかりと支えている印象です。ウィーンやリンツと同様に、市民の利便性を最優先した分かりやすいシステムが導入されており、この点でも、金沢の都市規模に合わせた公共交通網のあり方を考える上で、貴重な示唆を得ることができました。

最後に

今回の国際交流の成功は、金沢が持つ文化と芸術の質の高さを世界に証明する機会となったと感じています。

今後、私はこの経験で得た「邦楽と合唱の国際的な可能性」と「先進的な都市づくりの知恵」を、単なる思い出で終わらせることなく、金沢市の具体的な政策へと結びつけていきます。

金沢の文化を世界へ発信し、歴史と現代が調和した、住みやすく誇れる都市づくりのために、引き続き尽力してまいります。

最後に今回のオーストリア公演を企画、準備、運営された皆様に心から感謝申し上げます。

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【オーストリア報告④】ウィーンの交通事情とMaaS3.0実現の世界

2025.10.24

今回のオーストリア遠征は公演が中心でしたが、私自身の個人的な目的の一つとして、ウィーンの交通事情を調査することがありました。

練習や公式行事などで自由な時間は少なかったものの、時間を縫ってLRT、地下鉄、バスなどの公共交通機関に実際に乗車し、その機能や運用を調査することができました。

都市機能としての公共交通の質

多くのウィーン市民が日常的に公共交通を利用している姿を見て、これこそが「都市の機能」そのものであることを再認識しました。

特に印象的だったのは、狭い道路環境下でも幅の狭いLRTが専用の線路上をスムーズに走行する点です。実際に乗車したLRTは、低騒音で振動も少なく、まさに「人に優しい乗り物」であることを実感しました。また、駅や停留所では列車の到着時刻などが示された電光掲示板も非常に分かりやすく整備されており、利用者のストレスを軽減する工夫が徹底されていました。交通連結点(ターミナル)の整備が行き届き、その周辺が賑わいを生み出している点も、コンパクトシティにおける交通の理想的な姿だと感じました。

MaaS 3.0の実現と公共交通の役割

ウィーンでは、どの交通機関を使っても1回乗車券が€2.4、1日券が€8ユーロなど、統一的でシンプルかつ利便性の高い運賃体系が導入されています。

これは、私が議会で継続して提案している「MaaS 3.0(モビリティ・アズ・ア・サービス)」がすでに高いレベルで実現されている形です。移動手段を問わず、シームレスに、そして手軽に利用できる環境は、市民の利便性向上に直結します。

今回の視察を通じて、公共交通は単なる「移動の手段」ではなく、「持続可能で質の高い都市生活を実現する『目的』であり、それを実現するための『手段』でもある」ことを改めて強く確信しました。

この視察で得られた知見(と感動)を活かし、金沢市の特性と課題に合ったコンパクトシティの交通のあり方を今後も研究し、ウィーンのような利便性の高いMaaSの実現に向けて、具体的な政策として実現できるよう力を尽くしてまいります。

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【オーストリア報告 ⑥】ウィーンの歴史と芸術と金沢中心市街地再開発について

2025.10.24

公演と交通視察の合間に、世界的な歴史と芸術が息づくウィーン市内を巡り、都市開発や街並み保全について学びました。

巡った歴史的建造物と芸術の深さ

以下の主要な場所を視察し、その歴史と美しさに触れました。

• シェーンブルン宮殿(内部見学)

• ウィーン美術史博物館(内部見学)

• オペラ座、シュテファン大聖堂、国会議事堂、市庁舎

シェーンブルン宮殿の内部では、特にウィーン会議で実際に使われた広間を見学し、歴史的な大局がここで議論された重みを感じました。また、宮殿の広大なバロック様式の庭園は、徹底的に手入れされ、都市の中に壮麗な自然景観が維持されており、その保全の姿勢に感動しました。

ウィーン美術史博物館では、世界屈指のハプスブルク家のコレクションに圧倒されました。その一つ一つが、この街が持つ芸術的な深さと、歴史に裏打ちされた文化の重みを物語っていました。

ハプスブルク家が築いた芸術都市の復元

ハプスブルク家の栄華と、多くの芸術家・音楽家が愛したこの街は、まさに文化と歴史の宝庫です。戦争で破壊された後も、市民の努力と情熱によって美しい街並みが忠実に再現・保全されている事実に、深い感銘を受けました。

金沢市中心部再開発への提言

このウィーンの街並みからは、現在中心部の再開発を予定している金沢市が見習うべき点が数多くあると感じました。

特に目を引いたのが、徹底した歴史的景観の保全と、その街並みが都市の魅力と価値を高めている点です。金沢の再開発においても、単なる機能更新で終わらせるのではなく、ウィーンの思想を取り入れ、歴史的資産を活かしつつ未来に繋ぐデザインと調和を重視すべきです。

また、ウィーンの街を特徴づける「統一されたイエロー(黄色)」を基調とした街並みは、古都としての品格と温かみを醸し出しています。金沢も伝統的な色彩を持っていますが、中心市街地の色使いはもう少し強化・統一しても良いのではないでしょうかとも感じた次第です。議論されている建物の高さ規制だけでなく、もう少し強い色彩規範を設け、街全体に統一感と美意識を浸透させることが、都市のブランド力を高める鍵となると感じました。

今回の学びを活かし、金沢がさらに世界に誇れる形へと導けるようさらに考えてまいります。

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【オーストリア報告 ⑦】リンツ滞在:ブルックナーゆかりの聖堂とコンパクトシティ交通の視察

2025.10.24

公演のため一泊の短時間滞在となったリンツですが、時間を有効活用し、歴史ある街の魅力と公共交通の工夫を視察しました。

ブルックナーゆかりの聖堂と「リンツの窓」

短時間でしたが、旧聖堂と新聖堂を見学することができました。

旧聖堂では、大音楽家アントン・ブルックナーが長年にわたりオルガニストを務めたパイプオルガンを間近で拝見し、深い感動を覚えました。ブルックナーゆかりの地としての文化の重みを肌で感じることができました。

**新聖堂(マリア大聖堂)の荘厳さは圧倒的で、内部を彩るステンドグラスはまさに圧巻の一言でした。これらは「リンツァー・フェンスター(リンツの窓)」**と呼ばれており、オーストリア最大級の教会らしい巨大なスケールで描かれています。その精巧な技術と、光を取り込む芸術的な美しさは、街の歴史を物語る傑作であり、心を奪われました。

コンパクトシティ交通の鍵:路面電車とトロリーバス

ウィーンよりも規模の小さな都市であるリンツでは、路面電車だけではなく、

トロリーバス(BRT)もあり、都市構造に合った独自の公共交通網が整備されていました。

狭い道路環境にもかかわらず、市民の足として機能しており、特に「車がほとんど入ってこない」交通分離されたエリアでの公共交通の活躍が印象的でした。

路面電車(LRT)

軌間900mmの特殊路線網を持ち、市の交通の主要な柱です。2002年以降、超低床電車「シティランナー」を導入し、バリアフリー化を推進。利用客増加傾向は、持続的な交通のあり方として大変参考になります。

トロリーバス(BRT)

1944年開通の路線を継続運用し、2018年からは全長24m超の二連節バス(Exqui.City 24T)を導入。充電池搭載で緊急時の走行にも対応するなど、柔軟な運用体制を取っています。限られた空間で大量輸送と効率を実現するBRTの可能性を強く感じました

バリアフリー化された超低床車両や、トロリーバス(BRT)などの柔軟なシステムを組み合わせることで、市民の利便性と都市の魅力を両立できると強く感じました。

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