【オーストリア報告⑤】リンツ:ブルックナーハウスで響かせた、ベートーヴェン 平和への祈り
2025.10.25
ウィーンでの邦楽コンサートを終え、いよいよもう一つの大舞台、リンツでの公演に挑みました。
リンツは、大作曲家アントン・ブルックナーゆかりの地であり、その名を冠するブルックナーハウスという歴史あるホールで、ベートーヴェン作曲『ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)』を演奏いたしました。
歴史的な大作への挑戦と金沢の誇り
『ミサ・ソレムニス』は、ベートーヴェンの晩年における宗教音楽の最高傑作であり、演奏には極めて高い技術と深い精神性が求められる、まさに大曲です。
石川県音楽文化協会は、1970年の初演以来この曲を年末公演で演奏しており、全国のアマチュア合唱団では演奏回数が最多という、誇るべき実績を持っています。今回は、この歴史と精神を背負い、現地の演奏に臨みました。
公演前には、ウィーンにあるベートーヴェンのお墓を訪問し、演奏の成功と、曲に込められた願いの実現を祈願してまいりました。
一体感が生んだ感動と平和への願い
現地のブルックナー合唱団、管弦楽団の皆様と共に、この困難な作品をブルックナーハウスの聴衆へ届けることができたことは、筆舌に尽くしがたい感動でした。
この曲は、「Dona nobis pacem(われらに平和を与え給え)」という切実な祈りの言葉で閉じられます。団員一同、言葉や文化の違いを超えた音楽という共通言語をもって、この平和への願いが聴衆の皆様へ、そして世界へ通じるよう、心を込めて歌い上げました。
ベートーヴェンが込めた「内的な平和と外的な平和を祈りつつ」というメッセージを表現できた瞬間は、団員一同の胸に深く刻まれました。私たちは、金沢の文化団体が培ってきた実力を国際的な舞台で証明し、平和への願いを共有することの重要性を改めて感じました。





