【シンガポールで見たこと、感じたこと④(最終)】公共交通の革命!「シームレス」と「キャッシュレス」に学ぶ

2025.11.29

視察報告の最後は、「恒例の」公共交通システムについて調査です。(書きたい事多く、長文でスイマセン。)

シンガポールは、徹底した渋滞対策として、乗用車の価格が日本の約5〜6倍程度(新車のセダンが1,500万円!)と高額です。当然、車を持てない人も多いため、公共交通が社会の重要インフラです。地下鉄(MRT)も整備され、バスの路線も多く、頻繁にバスが来ます。地下鉄、バスを利用しましたが、本当に便利で「市民と観光客の利便性」を徹底的に追求していることを痛感しました。金沢市の交通課題解決に直結する、重要なヒントが詰まっています。

■ 見たこと

① 決済革命:クレジットカードのタッチ決済 MRTもバスも、クレジットカードのICカードを改札機や車内のリーダーにタッチするだけで乗車・降車が完了します。地域独自のICカードだけでなく、国際ブランドのカードがそのまま利用できる「キャッシュレス決済の統合」が実現しています。

ここまでは、本市のバスも導入が進み追いついていますが、感動は、その決済スピードです。やや技術的な話になりますが、クレジットカードのタッチ決済は、世界標準の「NFC Type A/B」という方式で、日本の交通系ICカード(Suica、ICOCAなど)に使われているFeliCa方式に比べて、応答速度は不利とされています。

日本でもクレジットカードのタッチ決済が進んできましたが、交通系ICに比べて、1〜2呼吸遅いと感じるのが現状です。しかし、シンガポールの決済はその違和感を全く感じさせず、FeliCa並みの速さで完了しました。この技術的なスピードの秘密について、今後さらに調査したいと思っています。

このシームレスな決済は、外国人観光客にとって圧倒的な利便性を提供し、市民にとっても小銭の煩わしさがない「シームレスな移動体験」を実現しています。金沢のバス・鉄道においても、早期にこのレベルの多角的な決済統合が求められます。

② トランジット・ハブの徹底した工夫 主要な乗り換え拠点(トランジット・ハブ)では、MRTの路線間の乗り換えが「地下鉄の対面乗り換え」で可能になっている場所が多く、移動距離と時間が最小限に抑えられています。

さらに、MRT、LRT、バス停、商業施設への導線がすべて雨に濡れない構造で設計されている点も、徹底した利用者視点です。これは、雪や雨が多い金沢市において、公共交通の魅力を高めるための結節点整備の理想形だと感じました。

③ リアルタイム情報提供 シンガポールのバス停には、一般的な「時刻表」は存在しません。その代わり、バス停のデジタル表示や公式アプリ(MyTransport.SGなど)を通じて、次のバスが今どこを走っていて、あと何分で到着するかをリアルタイムで知ることができます。このデータ駆動型の情報提供こそ、市民の「待ち時間」のストレスを軽減し、公共交通の信頼性を飛躍的に高める鍵だと感じました。

④ 快適な移動体験 シンガポールのバスは二階建てが多く、景観を楽しみながら快適に移動できました。移動自体がストレスなく、むしろ気持ちの良い体験になるよう設計されている点も、公共交通への利用を促進する大きな要因だと感じました。

■ 感じたこと

金沢市の公共交通ネットワークを、市民・観光客にとって「利用しやすい、信頼できる、スマートな」システムへと変革するため、シンガポールの知見を活かした以下の実現を提言します。

1. オールインワン決済の導入: クレジットカードのタッチ決済を含む多様な決済手段を、バス・鉄道で統一的に、かつストレスのないスピードで利用できるようにする。

2. リアルタイム情報の徹底: バスロケーションシステムをさらに進化させ、シンガポールのようにバス停での時刻表表示を廃止し、リアルタイムの到着予測時間と位置情報を提供する仕組みを金沢でも導入・検討すべきです。

3. 結節点のシームレス化: 金沢駅や主要なターミナルにおいて、雨雪時にもストレスのない、分かりやすい乗り換え導線とインフラ整備を推進する。

この視察の学びを、金沢の移動をさらに豊かにする政策に活かしてまいります。

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