【シンガポールで見たこと、感じたこと③】「過去の遺産」を未来に繋ぐ〜金沢の利活用事例の優位性を再認識

2025.11.29

続きの3点目は、「歴史的遺産の利活用」です。限られた国土のシンガポールが、歴史をどう活かし、都市の魅力に変えているのかを視察しました。

■ 見たこと

① 旧ヒルストリート警察署 (Old Hill Street Police Station)

植民地時代の威厳ある建築を、カラフルな窓でモダンに再生し、現在では情報通信省(MICA)や文化・コミュニティ・青年省(MCCY)といった行政・文化施設として活用しています。古いものを壊さず、現代のデザインと機能で息を吹き込む「歴史的建築の保全と再利用」を見事に両立させていました。

② フォート・カニング・パーク (Fort Canning Park)

都市中心部の戦略的な要塞跡地を、歴史を体感できる憩いの場として保全。有名な「螺旋階段」は、深い緑の中に埋もれ、都市の喧騒の中に歴史と自然の静寂を対比させています。

■ 感じたこと:金沢の遺産活用は世界に誇れる!

この二点を見て、① 旧ヒルストリート警察署 は「しいのき迎賓館」に、② フォート・カニング・パークは「金沢城公園」に、そのコンセプトが驚くほど似ていると感じました。

金沢の先人たちが残した素晴らしい利活用事例は、世界に誇れるものです。

• 旧石川県庁舎を再生した「しいのき迎賓館」

• 文化の発信拠点として新しい価値を生み出す国立工芸館、県立美術館

• 400年以上前の金沢城の城壁や堀、総構(そうがまえ)といった、計り知れない歴史的・文化的資産。

シンガポールの成功事例と比較しても、「金沢は負けていない。いや、むしろ優れている!」と確信しました。私たちの持つ歴史的資産を、改めて誇りを持って市民や世界にアピールしていくべきと強く再認識した次第です。

そして、次に控える、日銀金沢支店跡地の利活用が本当に大事だと感じています。この場所の歴史的価値を最大限に活かし、金沢の未来を象徴するような知的な利活用を推し進めていく必要があると感じました。

【シンガポールで見たこと、感じたこと②】「グリーンシティー」の衝撃〜環境と技術を融合した観光と経済

2025.11.29

二点目は、シンガポールの「環境への取り組み」と「都市の緑化戦略」についてです。ただ緑を増やすだけでなく、技術と経済効果を融合させるその手法は、本市の未来に大きなヒントと感じました。

■ 見たこと

① ジュエル・チャンギ・エアポート (Jewel Changi Airport)

空港という交通インフラの核となる場所に、巨大なレイン・ヴォルテックス(滝)と屋内庭園を大胆に組み込んでいます。この統合は、ただ美しいだけでなく、トランジット客や地元住民の「顧客体験」を飛躍的に向上させ、空港を目的地に変える複合施設の集客戦略として機能しています。本当に美しく、そして未来のまちを想起させる空間に、ただただ時間を忘れてみておりました。

また、ダウンタウンから空港まで向かう高速道路では、緑豊かな樹木が徐々に多くなっていき、ドライバーや市民に安らぎを与える空間設計がされていることも印象的でした。

② ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ (Gardens by the Bay)

ここは単なる公園ではありません。特にスーパーツリー・グローブは、巨大な人工樹木でありながら、垂直緑化を施し、雨水収集や太陽光発電を行うという、環境技術を応用した巨大なインフラそのものです。環境技術が、そのまま経済的な魅力(観光コンテンツ)になるという仕組みに感銘を受けました。

■ 感じたこと(都市計画と緑化戦略の厳格さ)

シンガポールの緑化戦略の根底には、徹底した行政のイニシアチブがあります。

現地の方の情報では、シンガポールではNParks(国家公園局)が主導し、開発面積に応じた「Landscape Replacement Policy(景観代替政策)」という厳格なルールを適用しています。これは、建物を建てるために地上の緑を失う場合、その失った分の緑を同等かそれ以上、建物の壁面や屋上に確保することを義務付けるものです。土地と植栽の割合や管理が細かく決められており、ここまで徹底した管理を行うことで、シンガポールは「City in a Garden(庭園の中の都市)」を実現しています。

ここまで厳格な規制を導入するのは難しいかもしれませんが、本市は元々、自然と調和した緑豊かな都市です。シンガポールの事例を見ると、その「緑」を「技術」「経済」「建築」と融合させる段階に入っていることを痛感しました。

都市建築と緑化の融合は、最近、民間施設や国内の先進地でも見られますが、本市も、一歩踏み込んだ「未来型の緑の都市づくり」を推進していく必要があると感じました。

【シンガポールで見たこと、感じたこと①】世界が羨む「都市計画の凄さ」〜未来へのビジョン発信に学ぶ

2025.11.29

今回、WRO世界大会視察の合間を縫って、シンガポール各地を回ってきました。WRO以外の部分について、数回(多分4回)に分けて報告します。

一点目として、都市インフラと計画の現場を巡り、そのスケールと緻密さから感じた大きな衝撃です。

■ 見たこと

① マリーナベイ・サンズ (Marina Bay Sands)

単なる豪華なホテルやカジノではなく、MICE(会議・イベント)機能を核に据え、湾岸エリア全体の景観と経済効果を最大化するために設計された「高密度都市開発の成功例」です。最上階から見た計画的に建設されたまちは、未来のまちを見ているようです。高層化してもなお、都市に息をのむような美しさと活力を与える景観形成力は、金沢の都心開発においても深く学ぶべき視点です。

② URAシティ・ギャラリー (都市再開発庁)

ここが最も衝撃的でした。行政機関であるURAが、シンガポールの都市計画の変遷と、2025年の将来構想を、巨大な都市模型や展示パネルで市民に「分かりやすく、インパクトのある形」で公開しています。

都市計画は、一部の専門家や行政だけで進めるものではなく、市民が未来を理解し、共感し、意思形成に参加するためのツールであることを再認識しました。

■ 感じたこと

現地の方との会話では、何年も前から、建設するものを決め、計画通り作っていくとのことです。しかも、スクラップアンドビルドを繰り返す。行政のイニシアチブの強さに驚き!

都市計画の重要性と凄さを肌で感じ、金沢市が進める都心軸再開発や広域交通計画において、以下の点が不可欠だと強く認識しました。

• ビジョンの可視化と発信: シンガポールのように、将来の金沢の姿を巨大模型やデジタル技術で分かりやすく可視化し、市民一人ひとりへの発信と共有を徹底すること。

• 市民との意思形成: 単なる説明会ではなく、市民が未来の都市像を「自分ごと」として考え、意見を反映させる双方向の意思形成プロセスを重視すること。

金沢市の未来のまちづくりに活かしてまいります。

世界大会の衝撃!金沢の未来へ繋ぐ「新産業創出」の夢

2025.11.28

WROシンガポール国際大会を視察し、世界トップレベルの子どもたちの創造性と熱狂を目の当たりにしました。

今回の金沢・石川県勢の健闘は素晴らしいものですが、大会を通して見えてきた金沢が目指すべき未来について、感じたことを共有させていただきます。

① Future Innovators への注力

この大会で強く感じたのは、日本のFuture Innovators部門(創造性・課題解決分野)への参加数の少なさです。

• この分野は、ロボットの技術だけでなく、実社会の課題解決をテーマに、子どもたちが自らアイデアを出し、創造性を競う部門です。

• 日本からは奈良県のチームが代表として参加していましたが、この「発想力」と「課題解決力」を育成する部門も、本市が注力すべき分野です。未来のイノベーター育成に向け、この部門への挑戦を強化する必要があると感じました。

② 大規模ロボット大会の金沢誘致を目指す!

視察中、WRO国際理事会のボードメンバーの方と懇談する機会を得ました。

今回のシンガポール開催の誘致理由は、「人材が金融に流れ、技術力を高める必要がある」という切実な背景。そして、過去の開催国(UAE、ハンガリーなど)においても、国際大会の開催が、その後の先進科学技術の発展の大きなきっかけになった事例を伺いました。

この話を聞き、今、金沢ロボ活やIT部活を通して、本市が目指している「未来の技術人材育成」の方針と完全に合致していると確信しました。

私は、いつか必ず、国内全国大会やWRO国際大会のような大規模なロボットコンテストの大会を金沢に誘致すべきとの思いを強くしました。

国際的な交流と技術への熱狂が街全体を包み込むことで、子どもたちの意欲は飛躍的に高まり、金沢の「未来に向けた新産業創出」への道が切り拓かれるはずです。この目標に向け、力を尽くします!

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