【シンガポールで見たこと、感じたこと②】「グリーンシティー」の衝撃〜環境と技術を融合した観光と経済

2025.11.29

二点目は、シンガポールの「環境への取り組み」と「都市の緑化戦略」についてです。ただ緑を増やすだけでなく、技術と経済効果を融合させるその手法は、本市の未来に大きなヒントと感じました。

■ 見たこと

① ジュエル・チャンギ・エアポート (Jewel Changi Airport)

空港という交通インフラの核となる場所に、巨大なレイン・ヴォルテックス(滝)と屋内庭園を大胆に組み込んでいます。この統合は、ただ美しいだけでなく、トランジット客や地元住民の「顧客体験」を飛躍的に向上させ、空港を目的地に変える複合施設の集客戦略として機能しています。本当に美しく、そして未来のまちを想起させる空間に、ただただ時間を忘れてみておりました。

また、ダウンタウンから空港まで向かう高速道路では、緑豊かな樹木が徐々に多くなっていき、ドライバーや市民に安らぎを与える空間設計がされていることも印象的でした。

② ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ (Gardens by the Bay)

ここは単なる公園ではありません。特にスーパーツリー・グローブは、巨大な人工樹木でありながら、垂直緑化を施し、雨水収集や太陽光発電を行うという、環境技術を応用した巨大なインフラそのものです。環境技術が、そのまま経済的な魅力(観光コンテンツ)になるという仕組みに感銘を受けました。

■ 感じたこと(都市計画と緑化戦略の厳格さ)

シンガポールの緑化戦略の根底には、徹底した行政のイニシアチブがあります。

現地の方の情報では、シンガポールではNParks(国家公園局)が主導し、開発面積に応じた「Landscape Replacement Policy(景観代替政策)」という厳格なルールを適用しています。これは、建物を建てるために地上の緑を失う場合、その失った分の緑を同等かそれ以上、建物の壁面や屋上に確保することを義務付けるものです。土地と植栽の割合や管理が細かく決められており、ここまで徹底した管理を行うことで、シンガポールは「City in a Garden(庭園の中の都市)」を実現しています。

ここまで厳格な規制を導入するのは難しいかもしれませんが、本市は元々、自然と調和した緑豊かな都市です。シンガポールの事例を見ると、その「緑」を「技術」「経済」「建築」と融合させる段階に入っていることを痛感しました。

都市建築と緑化の融合は、最近、民間施設や国内の先進地でも見られますが、本市も、一歩踏み込んだ「未来型の緑の都市づくり」を推進していく必要があると感じました。

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