熊本地震から9年—「今しか見られない」熊本城の復興の状況

2025.11.06

今回の九州視察は、レンタカーでの移動となり、隙間時間で、いくかの場所を自主見学しました。

一点目は、熊本城です。

熊本地震から時間が経ちましたが、復旧作業は今もなお続いています。その現場を間近で見学できる「特別見学通路」を歩いて、改めて城の被害の甚大さと、復興にかける人々の熱意を肌で感じました。

驚異の復旧現場

1. 石垣の「奇跡」と「困難」: 熊本城の石垣はなんと全体の約3割、約10万個もの石が崩落・緩み・膨らみの被害を受けたそうです。現場では、崩れた石を元の位置に一つ一つ戻すという、気の遠くなるような「積み直し」作業が行われていました。これが単なる工事ではなく、文化財を守る壮大なプロジェクトだと実感しました。

2. 特別見学通路の感動: 高さ約6mの通路からは、通常では絶対に見られないアングルで、石垣の崩落箇所や、解体・保存された重要文化財の櫓台座を真上から見ることができます。これはまさに「開かれた復興」。安全に配慮しながら、復旧の過程を見せてくれる姿勢に心から感銘を受けました。

3. 復興のシンボル、天守閣: 天守閣は一足早く2021年に完全復旧しており、その雄大で美しい姿は、まさに復興のシンボルです!天守閣の姿と、その足元で続く石垣の復旧工事とのコントラストは、この「今だけの熊本城」ならではの風景でした。

住民の熱い想いに触れて

天守閣内部の展示で、熊本城が単なる歴史的建造物ではないことを再認識しました。西南戦争で一度焼け落ちた城は、昭和30年代に戦後復興のシンボルとして再建され、そして今回は地震からの復興のシンボルとなっています。展示からは、熊本の住民の皆様の、城への深く熱い想いがひしひしと伝わってきました。また、最新の耐震構造がどのように取り入れられているかもしっかりと見学できました。

感じたこと

熊本城の「特別見学通路」は、復旧工事そのものを観光資源・学習機会として活用する「開かれた復興」の素晴らしいモデルでした。この成功事例は、金沢市における今後の文化財・公共施設管理において、非常に大きな示唆を与えてくれます。特に、

1. 金沢城の石垣修復工事: 熊本城と同様に石垣の修復が必要な際、一時的な「特別見学ルート」を設置することで、歴史学習と観光誘致を両立させる。

2. 金沢21世紀美術館の大規模改修: 来たる改修の際、建設現場を囲う仮囲いをデザインや情報公開に特化させ、改修の過程そのものをアートや学びの機会とする。 といった「工事を隠さず見せる」手法を積極的に取り入れることもできると感じました。

復旧完了は20年以上の長期計画ですが、その過程を見られるのは本当に「今だけ」です。熊本の力強さと、歴史を守り継ぐ職人さんたちの情熱を感じに、ぜひ一度訪れてみてください!

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