四国視察報告④ 徳島市立図書館(はこらいふ図書館)

2026.07.01

視察の最後に、JR徳島駅前の商業ビル「アミコビル」5・6階にある徳島市立図書館(ネーミングライツ愛称:「はこらいふ図書館」)を見せていただきました。

限られた床面積のなかで「滞在型」「多世代交流」を見事に実現している、まちなかコンパクト図書館の先駆けとして非常に勉強になりました。

視察のポイントと本市への示唆

1. 駅前商業ビルへの移転による中心市街地活性化

駅から徒歩5分という好立地で、夜21時まで開館。学校帰りや買い物帰りの市民を自然に呼び込み、ビル全体の回遊性を生み出していました。約3,400㎡という制約を克服するため、5階(こども室)と6階(一般室)を完全分離し、それぞれの階で全く異なる「居心地」を作るゾーニング手法は見事です。

2. 都市型図書館としての「滞在性(サードプレイス)」の追求

「人と文化が出会う駅前図書館」をコンセプトに、館内は森や高原をイメージしたふんだんな植栽(緑)と温かみのあるインテリアで統一。じっくり作業ができる「社会人席コーナー」や、商業ビルイン型でありながら屋外の風を感じられる広々とした「屋外テラス席(53席)」など、従来の静粛な空間から脱却したリラックス環境が整備されています。

まとめ

この図書館の最大の魅力は、「コンパクトな床面積であっても、ゾーニングと緑の演出次第で、これだけ開放的で滞在したくなる空間を作れる」という点にあります。

限られた予算やスペースのなかで、駅前活性化と市民が集う場づくりを両立させる等身大かつ最先端のモデルケースとして、今後の施設整備や中心市街地対策の参考にしてまいります。

四国視察報告③ 「SDGs未来都市」徳島市

2026.07.01

視察最終日に、徳島市役所にて「SDGs未来都市」および先進的な「公民連携」の取り組みについて行政視察させていただきました。

視察のポイントと本市への示唆

1. 官民連携の超進化系「Co×Lab Tokushima(コ・ラボ とくしま)」

徳島市のSDGs公民連携プラットフォーム「Co×Lab Tokushima」は、単なるイベント報告の場ではなく、「行政が抱える具体的な地域課題」と「民間のノウハウ」を可視化して結びつける優れたデータベース構造。本市のプラットフォームのさらなる高度化に向けて、大いに参考にすべき一歩先んじた仕組みでした。

2.財政負担ゼロの民間提案制度「POLICY FUND」

株式会社ポリポリとの連携によるこの仕組みは、全国のNPOや事業者から社会課題解決の企画を募り、資金は民間寄付基金から充当されるため、市の財政負担は実質0円。行政は実証実験のフィールドやテーマを提供するという、これからの地方自治体が目指すべき画期的な枠組みです。

3. 水都・徳島ならではの官民連携プロジェクト

• ひょうたん島周遊船の電動化: ヤマハ発動機と連携し、次世代操船システム「HARMO」搭載の電動船を全国初導入。

• 太陽光パネルリユース実験: 2030年代に大量廃棄が懸念されるパネルの循環市場開拓。

• 公用車シェアリング: 平日は公用車、休日は民間シェアカーとしてアセットを有効活用。

地方都市が直面する「本音とリアル」

質疑応答では、長所に隠れがちな地方都市共通の課題についても率直な意見交換ができました。 4年ごとの首長交代による政治的コンパス(方針)の変化が現場の推進力に与える影響や、華やかな先進施策の裏で進む「中心商店街のシャッター街化」「就業人口の減少」という厳しい実体経済のリアル。

徳島市ではこれに対し、民間・NPO・行政が三位一体となった新たなグランドデザインのもと、中心市街地への再投資を急ピッチで進めています。

今回の視察で得た「行政の財政負担に頼らない公民連携スキーム」や「地方都市共通のリアルな苦悩」は、今後の政策提言において極めて有益な収穫となりました。本市の伝統や文化を守りつつ、次世代のDXやスマートな地域経済循環へ繋げるため、しっかりと発信してまいります。

四国視察報告② 全国初の県市合築による複合施設 オーテピア(高知市)

2026.06.30

「二重行政の解消」という言葉は簡単ですが、それを現場で形にするための圧倒的な工夫と泥臭い調整の連続に、大きな衝撃を受けました。

商店街にデパートが誕生したほどの経済効果

かつての小学校跡地に建てられたオーテピアは、1日3,000人〜5,000人が訪れる一大拠点に。周辺商店街の通行量は約10%増加し、まち全体の賑わいを強烈に牽引しています。さらに、小規模店舗の多い商店街の弱点を補うため、館内に広大な授乳室や多目的トイレを設置。街全体のバリアフリー化を施設が下支えするという、見事な共生関係が築かれていました。

📊 滞在型へのシフトと、無料のビジネス支援

「本を借りて返す」だけの場所から、2〜3時間滞在する場所へ。 3階の専門書エリアでは「防災」「農業」など地域の行政課題に直結したテーマを展開。さらに、通常なら高額な費用がかかる市場調査データベースを無料で使えるようにし、商工会議所と連携して地道にPRを重ねた結果、ビジネス利用者が急増しています。

「連携」の裏にある、倍増する意思決定

県と市が一つになる。その最大の難敵は「議会やルールのズレ」です。 新しい施策を一つ打つにも、県と市双方の決裁が必要。議会の開催時期がずれれば、職員が先回りして政治的調整に奔走します。

この難題をオーテピアは以下の工夫で突破していました。

• 混ぜこぜ人事: 一般職員は全員が県・市双方の身分を持ち、垣根なく全館を案内。

• 泥臭い信頼関係: 立ち上げ期、県と市の担当者が「同じ部屋で机を並べて」本音でぶつかり合う土壌を構築。

• 連携協約の制度化: 首長が変わってもブレないよう、地方自治法に基づく強固なルールを議決を経て明文化。

効率化や予算削減だけを目的にした連携は機能しない。 お互いのルールをリスペクトし、人間関係を紡ぎ、それを最終的に「制度」にまで落とし込む。官民連携や都市経営を進める上で、本質的かつ極めて重要な学びを得た視察となりました。

四国視察報告① 観音寺商店街

2026.06.29

会派有志で四国を訪問しました。最初の訪問先は、観音寺商店街。 人口減少や郊外化が進む中、単なる「物を売る場」から「人が活動し、創発が生まれる場」へと見事に再定義を遂げた、全国屈指の先進地です。 泥臭く挑戦を続けている現場には、本市の未来に直結する大きなヒントと感じました。

■学んだこと

• 1. 若者(高校生)との圧倒的な共創

大学進学等で若者の9割が一度は市外へ流出する危機感から、「高校生のうちに地元のディープな大人と関わる原体験」を徹底設計。高校生カフェやメタバース構築に4ヶ月伴走した結果、なんと「10年後の同窓会」で参加者の約3分の2が地元に戻っているという驚異的な成果を出しています。

• 2. デジタル空間への「関係人口」の蓄積

YouTubeチャンネル「観音寺WEB商店街」は累計25.1万回再生を突破。直近のSNSリール動画では、閲覧者の約9割(89.3%)が既存のフォロワー外という、驚異的な潜在層へのリーチ力を誇っています。

• 3. 「自走」の幻想を捨てた官民伴走

民間主導を掲げつつも、完全な自走を求めるのではなく、エリア全体を維持する「公共インフラ」として行政が柔軟に伴走する体制づくり、そして「ノリと機動力」を受け入れる大人の器量が組織を10年以上持続させていました。

■本市への政策提言に向けて

本市では大学生向けの地域協働に注力していますが、観音寺市のように「高校生世代への前倒し」を進め、より早い段階で地域愛を育む土壌を作らねばなりません。

また、商店街という概念を「商業エリア」から、空き家対策、高齢化コミュニティの維持、公共交通施策、さらには災害対応までを担う「地域組織・都市機能の要(インフラ)」へと再定義していく必要があります。

本市の素晴らしい伝統と文化を大切に守りつつ、それを次世代のDXやスマートな地域循環へと繋げるため、今回の学びを今後の政策立案に強く活かしてまいります。

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