台湾出張報告⑥(最終) 台北市視察

2026.05.10

台南視察の後は台北へ移動し、数箇所の重要拠点を視察しました。今回の出張の締めくくりとして、台湾の歴史の深層と、現代が抱える課題を肌で感じる時間となりました。

■ 運命的なタイミングでの「台湾総督府」

まず訪れたのは、現在の大統領府として使用されている「台湾総督府」。 幸運にも一般公開日と重なり、日本統治時代の面影を強く残す内部を詳しく視察することができました。100年以上の時を経てなお、台湾の政治の中枢として堂々と機能し続けるこの歴史的建造物。その維持・活用法には、わが国の公共建築の在り方を考える上でも多くの示唆がありました。

■ 「国立故宮博物院」で見えた歴史と現代の課題

続いて、世界四大博物館の一つ「国立故宮博物院」へ。 有名な「翠玉白菜」は他館へ貸出中でしたが、代わりに圧倒されたのが、内側に500文字もの象形文字が刻まれた青銅器(毛公鼎)です。

ここで改めて考えさせられたのが、歴史の数奇な運命です。なぜこれほどまでの至宝が中国本土ではなく台湾にあるのか。その背景にある歴史的経緯と、複雑な国際情勢に触れ、非常に重い感情が込み上げました。

また、本視察では各地で「二重価格(居住者と外国人観光客の価格差)」の導入状況も確認しています。故宮博物院でも、台湾籍の方と外国人では入場料に明確な差が設けられていました(一般350元に対し、台湾籍は150元など)。 インバウンド需要が急増する中、文化財の維持と観光振興をいかに両立させるか。金沢においても今後避けては通れない議論であり、現地の運用実態を直接確認できたことは大きな収穫でした。

■ 祈りと伝統の姿

その他、厳粛な「衛兵交代式」や、台北最古の寺院「龍山寺」も視察。 どの場所も、訪れる人々が真摯に祈りを捧げ、伝統を次世代へ繋ごうとする強い意志に溢れていました。

今回の台湾出張では、交通インフラ、DX、スポーツ振興、そして歴史・文化政策と、多岐にわたる分野で貴重な知見を得ることができました。 隣国であり、深い歴史的絆を持つ台湾。ここで得た学びとネットワークを、これからの金沢の市政発展、そして国際交流のさらなる深化にしっかりと繋げてまいります。

全6回にわたる出張報告にお付き合いいただき、誠にありがとうございました!

台湾出張報告⑤ 台南で朝ラン!

2026.05.09

こちらも出張時の恒例となっている「朝ラン」。 台南の街でも2日間、現地の空気を感じながらしっかりと走ってきました!

■ 初日は「台南公園」で交流

初日は、100年以上の歴史を持つ「台南公園」へ。 朝の公園では、多くのグループがラジオ体操や太極拳に励んでいました。私も約一時間、その輪に混ぜていただき一緒に活動!現地の方々と共に体を動かす、清々しい一日のスタートとなりました。

■ 二日目は「国立成功大学」のグラウンドへ

二日目は宿泊先の近くにある「国立成功大学」へ足を伸ばしました。 驚いたのは、非常に立派な陸上用トラックが一般市民に開放されていること。早朝5時台から、ランニングや散歩を楽しむ市民がおり、中華圏の方々の健康に対する意識の高さとパワフルさを肌で感じました。

■ 金沢マラソンTシャツでPR!

そして、朝ランのお約束。 今回も「金沢マラソン」のTシャツを着用し、台南の地で勝手に、大会をPRしてきました! 現地で直接声をかけられることはなくとも、心の中で「ぜひ秋の金沢へ!」と呼びかけながらのラン。スポーツを通じた草の根の交流は、これからも大切にしていきたい活動の一つです。

台湾出張報告④ 台南市の交通事情

2026.05.09

最近の出張先でのルーティンとなっている、現地の「交通事情」の定点観測。今回は台南市編です。

■ 歴史が動く「台南駅」

台南駅の駅舎は、日本の古き良き駅舎を彷彿とさせる趣があります。駅内のシステムも日本とほとんど同じです。現在は「鉄道地下化プロジェクト」に伴う大規模な改修工事の真っ只中。貴重な歴史的駅舎を保存・修復しながら、地下に新ホームを建設し、近代的な都市へとアップデートしている最中でした。まさに街の転換期を肌で感じます。

■ 市民の足、レンタサイクル「YouBike」

街中で非常に多く見かけたのが、公共レンタサイクルの「YouBike」です。 専用ICカードがなくても、スマホアプリやクレジットカードで手軽に利用できる仕組みが整っています。台南は坂が少なく平坦なため、市民や観光客にとって非常に有効なモビリティだと感じました。今回は時間がなく断念しましたが、次回の課題です。

■ バス利用に文化の違いを痛感

バス停の接近表示などはデジタル化されており、ハード面は非常に親切です。しかし、ソフト面で文化の違いが。台南では「手を上げて乗車意思をアピール」しないと、バスはそのままスルーしてしまいます。 実際に乗りそびれてしまい、観光客には少しハードルが高いと感じましたが、こうした「現地ならではの作法」を知ることも大切な学びです。

■ 台南と金沢の共通点

古い街並みや歴史を大切に守りつつ、公共交通のDXや近代化を並行して進める姿には、わが街・金沢と通ずる空気感がありました。どちらも「歩いて、乗って、魅力を再発見する街」。 今回の視察で得たヒントを、金沢のまちづくりにも活かしてまいります。

台湾出張報告③ 台南市の歴史継承とダイナミズム

2026.05.09

台南市では早朝の時間を活用し、市内を歩いて巡ってまいりました。そこで目にしたのは、歴史を重んじながらも驚くべき熱量で進化を続ける都市の姿でした。

​■ 過去を「保存」から「活用」へ:歴史を活かす知恵

​今回特に感銘を受けたのは、「旧台南州庁(現・国立台湾文学館)」や「林百貨店」、そして「孔子廟」周辺の街並みです。

日本統治時代の近代建築が単なる遺構としてではなく、現代の息吹を吹き込まれた「街のシンボル」として見事に再生・活用されています。古い歴史を尊重しつつ、現代の感性でリノベーションするその手法は、同じ歴史都市である金沢のまちづくりにとっても、非常に示唆に富むものでした。

​■ 欧州モデルの都市計画と多層的な歴史

​台南駅前や旧州庁周辺には、美しいロータリー(円環)が形成されています。これは当時の都市計画において、パリなどの欧州都市をモデルにした名残といわれています。

放射状に広がる道路が織りなす景観は、台南が歩んできた多層的な歴史の奥行きを物語っています。

​■ 台南のパワーを象徴する「静」と「動」

​一方で、静寂な歴史的建造物とは対照的に、信号が変わった瞬間に一斉に加速するバイクの群れには、圧倒されるほどのエネルギーを感じました。

静かな時を刻む歴史遺産と、ダイナミックに動く市民の日常。この「静」と「動」の鮮やかなコントラストこそが、現在の台湾、そして台南の成長を支える源泉であると肌で感じた次第です。

​今回の視察で得た「歴史の活用」と「都市の活力」のバランスを、今後の市政への提言に活かしていきたいと思います。

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