四国視察報告② 全国初の県市合築による複合施設 オーテピア(高知市)

2026.06.30

「二重行政の解消」という言葉は簡単ですが、それを現場で形にするための圧倒的な工夫と泥臭い調整の連続に、大きな衝撃を受けました。

商店街にデパートが誕生したほどの経済効果

かつての小学校跡地に建てられたオーテピアは、1日3,000人〜5,000人が訪れる一大拠点に。周辺商店街の通行量は約10%増加し、まち全体の賑わいを強烈に牽引しています。さらに、小規模店舗の多い商店街の弱点を補うため、館内に広大な授乳室や多目的トイレを設置。街全体のバリアフリー化を施設が下支えするという、見事な共生関係が築かれていました。

📊 滞在型へのシフトと、無料のビジネス支援

「本を借りて返す」だけの場所から、2〜3時間滞在する場所へ。 3階の専門書エリアでは「防災」「農業」など地域の行政課題に直結したテーマを展開。さらに、通常なら高額な費用がかかる市場調査データベースを無料で使えるようにし、商工会議所と連携して地道にPRを重ねた結果、ビジネス利用者が急増しています。

「連携」の裏にある、倍増する意思決定

県と市が一つになる。その最大の難敵は「議会やルールのズレ」です。 新しい施策を一つ打つにも、県と市双方の決裁が必要。議会の開催時期がずれれば、職員が先回りして政治的調整に奔走します。

この難題をオーテピアは以下の工夫で突破していました。

• 混ぜこぜ人事: 一般職員は全員が県・市双方の身分を持ち、垣根なく全館を案内。

• 泥臭い信頼関係: 立ち上げ期、県と市の担当者が「同じ部屋で机を並べて」本音でぶつかり合う土壌を構築。

• 連携協約の制度化: 首長が変わってもブレないよう、地方自治法に基づく強固なルールを議決を経て明文化。

効率化や予算削減だけを目的にした連携は機能しない。 お互いのルールをリスペクトし、人間関係を紡ぎ、それを最終的に「制度」にまで落とし込む。官民連携や都市経営を進める上で、本質的かつ極めて重要な学びを得た視察となりました。

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